へぎそばについて

“愛され続ける郷土の味”

新潟を代表する名産品「へぎそば」は、4~5人で囲んで食べられるように、三十センチ×四十センチの杉板を剥ぎ、器に使用したのが始まりです。杉板を「剥ぐ」様子を、「へぐ」と訛って呼ぶようになり、「へぎそば」と呼ばれるようになりました。

新潟を代表する名産品「へぎそば」

へぎそばは、別名「手振りそば」とも呼ばれています。そばを盛り付ける際に手を振り、水から引き上げる様子から名称がつきました。その形も小千谷縮に使用される糸を撚り紡いだ形に似せたものと言われており、織物文化の影響を強く受けたものです。

このように「へぎそば」とは、小千谷の伝統食であるのはもちろんのこと、古くからある伝統産業の小千谷縮やそこに生活する人々の暮らしを強く反映したものなのです。その伝統を受け継つぎ守るために、そば打ちの技術継承の登録商標もしております。

新潟を代表する名産品「へぎそば」
新潟を代表する名産品「へぎそば」

布のりとは

紅藻植物、フノリ科フノリ属の海藻を「布のり」と言います。
おもな種類は、マフノリG. tenax、フクロフノリG. furcata、ハナフノリG. complanataの3種で、
いずれも外海に面する岩盤の潮間帯上部から中部に群落をつくる赤褐色の一年生海藻です。冬から春にかけて繁茂します。
漢字表記では一般的には布海苔と書きますが、布糊と書かれることもあります。
水質環境や気候の影響を受けやすく1年の中で限られた時期しか採取されない貴重な海藻であり一切機械化出来ず、
今でも浜人たちによって丹念に手摘みされています。

布のり

日本各地で見ることが出来る海藻ですが、昆布やワカメといった他の海藻に比べると採取量は多くはありません。布のりの生育環境は波打ち際で、水質が良く、寒暖の差がある所などを好みます。当店では特に良質と言われている五島列島や対馬などの長崎県産や青森県産などを主に使用しております。

昭和中期までは洗い張り用の糊剤として、多くの家庭でふのりが置いてありました。糊としての用途は今では化学糊の普及などで少なくなってきましたが、昨今「天然糊」としての見直しも進んでおり、今でも相撲力士の「廻し」の下につける「下がり」を糊付けするのに利用されるなど、皆さんの知らないところで何かと活躍している海藻です。またミネラルやヨードを含んでおり、ダイエット食や健康食品としても注目されています。

和田のこだわり

新潟県小千谷市で、八十年に渡って地域住民から
愛されてきた「へぎそば処 和田」。
当店では、へぎそばを安心して召し上がっていただくために、
新潟県小千谷産の玄そば粉、
「とよむすめ」を使用しています。

地産地消にこだわり、そば粉をはじめ、当店でご提供するお料理でも小千谷産の食材を多く使用しています。
春には山菜、秋にはきのこなど、
小千谷の季節の味をお楽しみください。

また、ベテランの職人による乾麺も製造しております。
三十年以上前に先代が生み出したこだわりの製法は、
「へぎそば和田」の味を
ご家庭でも味わってほしいという思いから。
ダシの効いた特製のめんつゆもご一緒に、
お土産やご贈答用にぜひご利用ください。

めんつゆのこだわり

めんつゆ

当店のめんつゆは旨味、香り、味のバランスのとれた本醸造濃い口特級しょうゆと素材の色や出汁の香りをいかし、尚且つ塩分を抑えた本醸造淡口しょうゆをベースに砂糖等の甘みを加えじっくりと熟成させた、かえしと三種類の枯節を調合しております。

まず主にカツオを使用しておりますが、一匹の原魚から雄節と雌節の各2本の節が作られ、
香り高くすっきりとした味わいが特徴です。古来より和食全般はもとより、そのすっきりとした味わいからそばつゆには最適とされてまいりました。これに適度なコクを持つソウダカツオと脂脂分を多く含み、独自の甘みとアクセントを併せ持つ持つサバを調合いたします。

このように、布のりをつなぎに使うへぎそばには、他のお蕎麦とは少し違ったお出汁の取り方が好まれており、これも古くから先人達の努力と精進の賜物です。